【本】名著と評される海外古典文学を読みまくってみる(おすすめ評価)

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今、名著と呼ばれる海外文学を読み漁っています。

私は普段は伝記や歴史本、ノンフィクションしか読まず小説などのフィクションを読むことはほぼありません。

なぜなら感受性が非常に乏しく、小説を読んでもあまり感銘を受けることがないからです。

本を読むのも基本的には1年に10~15冊程度。

そんな読書家でも無く、小説好きでもない私が1年間で海外古典文学を中心に100冊読むことを目標に読み漁ることにしました。

しかし折角読んだにも関わらず、すぐに忘れてしまいがちなので、備忘録としてこの記事を数年かけて作成していきたいと思います。

細かい翻訳や解釈などは学者とファンに任せればいいと思っているので、そういった小難しい話には一切関心がありません。

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なぜ海外文学を読もうと思ったか

なぜ海外古典文学に絞って読み漁ろうかと思ったかというと

「時を経て評価されている」

この一言に尽きます。

その時代の人々、翻訳者、さらに新訳まで為されていることを考えれば、それぞれの時代や段階で感銘を受けている人がいるため、複数のフィルターがかかっています。

そのおかげで今の時代までその作品が日本語として訳され引き継がれている。

そのことを考慮すると、普段全く読まない小説という分野。

それなら時の評価を経て今の時代に受け継がれている名著と呼ばれる海外古典文学を読んでおけばハズレが少ないし、間違いないだろうという非常に単純かつ短絡的な考えです。

また、もう一つ付け加えるなら「教養になるから」でしょうか。

作品名や作者名は知っているけれど中身は全く読んだことない本が私自身多すぎます。

いい年して少し恥ずかしい気もするので、最低限の知識として教養のために読むというのも理由の一つとして挙げられます。

もうすでに何冊か読みましたが、漫画やドラマの元ネタになっている話も非常に多く、読み進めていくとこれがモデルだったのかと気づかされることが多いため非常に驚いております。

ということでどんどん聞いたことあるタイトルを片っ端から読み漁っていきます。

目標100冊なので作品数でいうと70作品ぐらいは読むことにになるのではないでしょうか。

以下、随時更新しつつ、おおまかにおすすめ度を五段階評価でなるべくネタバレ無しでまとめてみようと思います。

おすすめ度は読みやすさ、面白さ、没入感など私個人の独断でしかない総合的なおすすめ度です。

★★★★★

レ・ミゼラブル

1862年のフランス文学。ヴィクトル・ユゴー著。私は角川文庫のコンパクト版を読んだので総ページ数は上下合わせて850P程。コンパクト版にしてこの量。誰もが知っているこの超有名作品。映画化もミュージカルもよく耳にする。しかし私はジャン・ヴァルジャンがパンを盗んだぐらいしか予備知識が無い中、手に取ってみた。結果、尋常じゃないぐらい面白かった。筆者に『ジャンヴァルジャンは聖人のような正しい心と犯罪者の能力が秘められた二つのナップザックを所持している』と形容されていたように、ジャン・ヴァルジャンという私から見ると極めて不器用な生き方しかできない主人公に魅力や共感を感じざるを得ない。それぞれのキャラクターが意外な場面で結びついていくのも非常に魅力的。最終的にはテナルディエですら好きになった。ミステリー、恋愛、親子愛、当時の社会状況など全てを含んでおり、名作であることに疑う余地はない。角川のコンパクト版を読んでみたところ非常に読みやすく、あっという間に読み終えた。面白かったのでいつかは新潮か岩波にチャレンジしようと思う。ただあとがきを読んだところ、完全版は政治思想や国家、社会、宗教などの記述が多く、非常に難解で読みにくいという話。コンパクト版の下巻ですらややそういった政治思想で冗長なところが散見された。そのため、まずはコンパクト版で十分な気がする。読む前に絶対王政、ナポレオン、王政復古、共和政あたりのフランス革命前後のフランス史を抑えておくと理解も深まってより楽しめる。勿論マストではないし、最低限の知識がすでにあれば問題はない。

アルジャーノンに花束を

1959年に書かれたアメリカ文学。日本でも何回かドラマ化されたこの作品。量は500ページ弱。知能の進化や退化がひらがなや漢字の多さで伝わってくるため、非常に分かりやすく、読みやすかった。はっきりいって私の読書レベルに合っている。物語もよく出来ており、簡単に作品に入り込めた。

ある奴隷少女に起こった出来事

1861年に書かれたアメリカ文学。ハリエット・アン・ジェイコブズ著。ページ数は300P強程。古典文学というよりはノンフィクション小説。私はノンフィクションや歴史が好きなのでどんぴしゃで非常によかった。続きが気になって一気に読んでしまった。何より翻訳が素晴らしい。海外小説によくみられる独特かつくどい表現にはもはやうんざりしているが、この本は難解な言葉を一切使わずに現代でも使われる簡単な言葉で訳してくれている。読んでいて「くどいなぁ」と思うことが一切無かった。内容に関しては黒人奴隷の話でデリケートな問題なのでノータッチ。『奴隷制は、黒人だけでなく、白人にとっても災いなのだ』という筆者の心の声がずっと私の頭に残っている。初めはフィクションかと思われたが実はノンフィクションで126年後にベストセラーにという作品自体の歴史もなかなか感慨深い。

★★★★☆

モモ

1973年に書かれたドイツ児童文学。ミヒャエル・エンデ著。ページ数は400P程。今観ている柴咲コウ主演のドラマに頻繁に登場しているので読んでみた。テーマは『時間』。時間といえば、私は相対性理論が思い浮かぶ。しかしアインシュタインの相対性理論も様々な技術で用いられてはいるが、時間自体を操っていることとは違うように思える。そんな未だに人類がコントロール出来ていない時間をテーマに掲げた話である。などと格好つけた言い回しをしてみたものの、ストーリーは非常に単純明快でまとめると「モモ VS 時間泥棒」でしかない。私事だが一つ前に読んだ作品が『闇の奥』だったこともあり、サクサク読めてストーリーも面白く感じた。私には対象が小学生5.6年以上の作品レベルがちょうどいいのかもしれない。一応NHKの100分de名著でも紹介されたみたいなので大人にも一般ウケするのではないかと思う。

星の王子さま

1943年に書かれたフランス文学。サン=テグジュペリ著。「小さな王子様」というタイトルで訳されることもある。この作品は深い。物語は淡々と進むのだが、深すぎて読者に解釈をほぼ委ねてくるパターンだった。正直私はこのパターンの作品があまり好きでないし深読みするのも好みではないが、150ページ程で短いし読みやすいので苦痛ではなかったし物語にも入り込めた。こんな可愛らしいタイトルをしているにも関わらず読み終えた後、色々と考えさせられたが、途中で面倒くさくなって考えるのをやめた。ストーリーが極めて単純で絵本にして子供に読ますにはいいのだろうが、正直子供に質問されても私は答えれる気がしないし、自身の解釈すら述べることが出来ないであろう。

十五少年漂流記

1888年のフランス文学。ヴェルヌ著。ページ数は270P程。中高生向けの文学のためか、同じヴェルヌ作の海底2万里と比べて冗長さや蘊蓄が全くなく、非常に読みやすく無駄なくまとまっていた。タイトルが有名すぎるのであらすじも大体知っていたが、いざ読みはじめると没入感もありサクサク読めた。内容も単純で分かりやすく、消化不良感は全く無い。著者も最後に教訓として書いてあるが「困難に直面した際も頑張ればなんとかなる」と思わせるようなポジティブな小説だった。ただモーコーに選挙権がないということをほぼ説明も無しに当たり前のように書かれている点に、当時のヨーロッパの考えが表れているように感じる。

★★★☆☆

ジュリアス・シーザー

1599年のイギリス文学。シェイクスピア著。カエサルが好きなのでなんとなく読んでみた。有名な「ブルータスよ。お前もか」の台詞待ちだったが、思いの外、早めに出てきたのでこの後どうするんだろうと読み進めていった。しかしこの作品のクライマックスは有名なあのシーンではなく、アントニウスの平民を扇動する演説と、ブルータスとキャシアスの喧嘩する場面だと読み終えて感じた。特にアントニウスの演説は圧巻だった。個人的にはオクタウィアヌスが好きなのでアントニウスにいいイメージは持っていないのだが、それでもあの演説は鬼気迫るものがある。また、今まで読んだシェイクスピアのどの作品よりも非常に読みやすかった。おそらく訳がよかったからのように思える。今後シェイクスピアは安西徹雄先生の訳で攻めていくことにする。ただ、訳の素晴らしさで臨場感などは出しているもののやはりシェイクスピアを小説で読むのは相変わらず少し無理を感じる。題材の好みと素晴らしい訳のおかげで普通に読める作品として成立していることを考慮して★3としたい。

ジキル博士とハイド氏

1886年にスティーヴンソン著の作品。あまりにも有名な作品なのでストーリーもほぼ知っている。ただいざ読んでみると意外にも重厚感漂う作品だった。ストーリーがあまりにも有名でオチを知っているせいか、重厚感を漂わしているにも関わらずミステリー感を得ることはまるでなかった。もしオチを知らない状態で読んだらどういうことだろうとドキドキしながら読めた気がする。多少の読みにくさはあるものの物語にはちゃんと入り込めた。130ページぐらいなので2時間もあれば読める。

ガリバー旅行記

1726年に出版されたイギリス文学。ジョナサンスウィフト著。誰もが知っている作品だが、こんなに長編だとは思わなかった。全部で450ページ程ある。また、話の内容も絵本になるぐらいなので単純明快かと思いきや、全くそんなことはない。当時の政治や社会情勢、法律などを風刺しており、非常に皮肉っている。私はそこがこの本の読み応えだと感じたし、その部分は非常に楽しく読めた。小人だの巨人だのは正直いってどうでもいい。また日本のことがほんの少し触れられていることにも少し嬉しさも感じた。ヤフーという言葉で始まり、ヤフーという言葉で終わった。多分ポータルサイトのYAHOO!はこっからきているんだなと勝手に思っている。また、ラピュタなども出てきたのでこの作品も現代に影響を与え続けている作品なんだなと改めて感じた。

グレートギャツビー

1924年、アメリカ文学。フィッツジェラルド著。アメリカ文学の代表作のグレートギャツビー。ページ数は300P程。村上春樹氏が大絶賛する小説らしい。ストーリーは面白いと思う。しかし私は光文社の訳を手に取り、比較的最近の言葉遣いで訳されており読みやすいにも関わらず、時間系列、特に主体が分かりにくくて何回かページを読み返した。昔の訳だったら挫折していたかもしれない。また、1920年代ということもあり、第一次世界大戦後であり第二次世界大戦までの激動の時代であったことを背景に深読みすれば、色々と感慨深いものはある。単純なストーリーにも関わらず少し理解が浅い気がするので、機会があれば村上春樹訳で読んでみようと思う。どうにも腑に落ちない点が多い。また、ディカプリオで映画化もされているようなのでそちらも観ようかなという気になった。私は個人的に消化不良感もあり理解もかなり浅いので評価するのは心苦しいが、とりあえず★3にしておこうと思う。

ロミオとジュリエット

1599年に書かれたイギリス文学。かの有名なシェイクスピアの有名作品。「ロミオよロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」その超有名な台詞が出ることを期待しつつ読み進めていった。読んでいてシェイクスピアの作品は日本語に訳すのに無理があるように感じる。これもあちこちの作品のモデルとなっているのでストーリーは言わずもがな。200ページ程なので2時間程度で読める。

罪と罰

1866年のロシア文学。ドストエフスキー著。海外古典文学のハードルを上げているのは間違いなくこいつ。私の中でもはやラスボス的存在である。学生時代から積読しており、大学を卒業して10年以上、ついに完読した。亀山郁夫氏の訳で読んだので全三冊。非常に長く、読むのに一週間以上かかった。個人的な感想としては冗長すぎてなかなかきついものがある。最初のマルメラードフの話が長すぎていきなりの挫折ポイントだ。しかも話の内容がびっくりするぐらいつまらない。ラスコーリニコフを軸に話を展開しているときは物語に入り込めるが、主人公に関わらない話だと全く入り込めない。ラスコーリニコフとポルフィーリーの駆け引きなどは読みごたえがあり素直に物語に入り込める。しかし第4部の山場でもあるソーニャとのキリスト教の話などは宗教観を持たない典型的な日本人の私としてはきつかった。文章に関しても句読点が不自然な程多いし、句点でいいところを読点にしたり、一人の台詞が数ページにもわたる場面が多い。ただ同じことを繰り返して言っているだけのパターンも多く、内容がペラならもっと簡潔に短く話せよと読みながら何回も思った。もはや会話が成り立っておらず、ダラダラと一人語りしているパターンもなかなかしんどい。私は歴史が好きなのでナポレオンやムハンマドに傾倒してなどといった話はついていけるのだがそれ以外は正直なところきつかった。しおりの登場人物の紹介には何度も助けられた。結局、最後まで場面が変わる度にザメートフとゾシーモフがどっちがどっちか分からなくなったりしたし、たまにしか出ない副署長や下宿のおかみなど把握しきれない部分もあったので、このしおりが無ければ完読できなかったように思う。通な人が好きな作品というのも理解はできる。しかし単純な私にはどうしてもきつさを感じざるを得なかった。「なんでミコールカそんなことしたの?」などといった疑問は巻末に訳者の解説があるので、作品自体にそこまで消化不良感は無かった。ただロシア文学はまだ「カラマーゾフの兄弟」「戦争と平和」「アンナカレーニナ」を残しているので個人的には先行きが不安でしかたない。

クリスマス・キャロル

1843年のイギリス文学。ディケンズ著。ページ数は200P程。タイトルだけは聞いたことあり内容は全く知らなかったので読んでみた。朝ドラでも有名な花岡花子氏の訳を手に取った。超有名な文豪ディケンズに花岡花子氏。両者とも初めて読むので結構期待して読んでいった。個人的には幽霊物はあまり好きなジャンルではないのだが、ほっこりする話やポジティブな話は好きなので悪くなかった。ただ、改訂版にしては訳が少し古く感じた。理解するには少し難易度高いなと思った。これを小学生や中学生が読むには無理がある。また、単純な話なのにラストまで結構重たい雰囲気で重厚感もあるので、中盤まで読むのが少し辛かった。個人的には二番目の過去の幽霊とのエピソードの意義が私には理解出来なかったので、いつかもう一度読んで完全に把握しようと思う。

★★☆☆☆

老人と海

1952年に書かれたアメリカ文学。ヘミングウェイ著。ヘミングウェイ自体は私の中でキューバのイメージだった。そのせいか老人と少年の間で野球ネタがちょいちょい展開されている。130ページ程なので秒で読める。ただ私にはあまり深い意味が分からず、淡々と老人と魚の格闘が展開していき、盛り上がるところがさほどなく終わった印象。少年の存在意義もイマイチ把握出来なかったが、なんとなく深いことだけは分かる。オチの最後の一文はよく分からなかったが、一応物語は入り込めた。ノーベル文学賞も受賞している作家なので私にはよく分からなかったがおそらく深いんだと思う。

海底二万里

1870年に書かれたフランス文学。ヴェルヌ著。上下二冊に分かれていて、総ページ数は750Pほど。個人的には好きな作品だが、はっきりいってなかなか一般向けはしないように感じる。なぜなら歴史、物理、化学、地理、生物、地学などの知識がくどいレベルで盛り込まれており、自然科学に興味がない人には読むのが苦痛だと思うから。私は物理も化学も地理も歴史も興味があるので全く苦痛ではなく、知っていること知らないことがちょうどいいバランスで盛り込まれており楽しく読むことが出来た。それでも関心がない生物学に関してはあまりにも苦痛なのでほとんど読み飛ばしてしまった。また、具体的な数字や説明をしているにも関わらず、結構間違いが散見されるのも書かれた時代の歴史を感じる。ケアレスミスに関しては角川文庫の訳者のあとがきでも触れられていたが、それを考慮しても時代を感じざるを得ない。しかし、科学が今よりもはるかに未熟なこの時代にこれだけのことを想像して書くことが出来る筆者の博識っぷりにはかなり驚かされた。やや消化不良感はあるものの、冒険譚や自然科学は好きなので個人的には楽しく読むことが出来た。登場人物も少なく、蘊蓄を除けば非常に読みやすい作品だった。私は角川文庫で読んだが、挿絵がある新潮文庫などの方がいいと思う。読んだ後、挿絵の存在を知った。

ハムレット

1604年に書かれたイギリス文学。シェイクスピアの四大悲劇の1つ。「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」これまたこの超有名な台詞が出ることを期待しつつ読み進めていった。割と早めに傍白の場面で出てきた。ただこれだけ有名な作品にも関わらず私には全く刺さらなかった。野村萬斎が舞台用に仕上げているのだが、やはりシェイクスピアを日本語訳の小説で読むのは無理があるように感じる。舞台などで鑑賞するぶんにはまた違ってくるのかもしれないが、私には良さが分からない。女優のアンハサウェイという名前はシェイクスピアの妻から取ったんだぁと作者紹介で思ったぐらいだ。この調子だと残る四大悲劇「オセロー」「リア王」「マクベス」も非常に腰が重いが読むしかない。

高慢と偏見

1797年のイギリス文学。ジェーン・オースティン著。有名な恋愛小説。私は光文社古典新訳文庫で読んだのだが、分量は600P程。かなり長かった。だがやっていることは基本恋愛のみ。男の私が読んでもあまりピンとくるものはなかったが、女性が読むとまた違ってくると思う。身分やら相続、爵位など当時の時代背景が現代人の私にはなかなか身近ではなく、あまり物語に入り込むことができなかった。くどい言い回しも多かったのも個人的には好みではなかった。また、登場人物の名前も「ミスタ〇〇」「ミセス〇〇」「ミス〇〇」などで区別されていることが多く、さっと読もうにも一文字違うだけで人物そのものが違うので、慣れるまで少し時間がかかった。上巻の最後のダーシーの手紙ぐらいからようやく物語に入り込めたのだが、上下巻の最後以外は正直かなり冗長だった。個人的な感想としては米ドラマの「ゴシップガール」に近い感覚。ゴシップガールを観ているときも思ったが、途中から狭い世界でゴタゴタやりすぎだろって思ってしまった。しかし全ての恋愛作品に影響を与えているという前評判もあながち間違っていないのかもしれない。余談なうえにゴシップガールを観た人にしか分からないが、もはやダーシーはチャック・バスにしか思えなかった。勿論、チャック・バスは大好きなキャラなのでダーシーも好きになった。評価は限りなく★3に近いが、結構きつい部分もあったので★2としたい。冒頭部分の『独身の青年で莫大な財産を~』は世界一有名な冒頭部分らしいが、私は勿論知らなかった。

フランケンシュタイン

1818年のイギリス文学。メアリー・シェリー著。ページ数は400P程。誰もが知っているフランケンシュタイン。数多の作品のモデルにもなっているが、肝心の原作を読んだことがないので手に取ってみた。怪物を生み出したフランケンシュタイン博士の苦悩もさることながら、怪物自身も容姿からくる劣等感や孤独に苛まれるのが何とも切なかった。怪物が成長していくシーンは中々読み応えがあり没入感もあったが、それ以外はやや冗長な感じで景色の描写などもダラダラときついものがあった。私は怪物の立場で読み進めていったので、主人公の怪物を生み出した無責任さ加減に少しイラっとした。それなりの中編小説にも関わらず、動機付けなどがやや淡泊な気もする。そういった意味でイマイチだった。ちなみに読むまで怪物のことがフランケンシュタインだと思っていた。

★☆☆☆☆

変身

1910年代に書かれたドイツ文学?。カフカ著。かなり前に読んだことがあるのだが、正直そのときは何が言いたいのかさっぱり分からなかった。淡々と描かれてオチも無かった印象。今読むとまた違うのかもしれない。しかし当時は全く面白くなかった。

車輪の下

1906年に書かれたドイツ文学。ヘルマンヘッセ著。中2の時に国語の教師が全員にプレゼントしてくれた本。本棚にあったので、20年経って初めて読んでみた。結果は最悪。何も面白くない。序盤はすんなり物語に入り込めてどうなるんだろどうなるんだろと思って読み進めていったが、中盤後半からもはや読めたものではない。わずか200ページ強なのにつまらなすぎて読むのに半日かかった。しかも何が伝えたいのかも分からない。エリートが落ちこぼれつつも友情や恋愛、仕事に触れていき、この先どうやって成長していくんだろうと思っていたら何も無く話が終わった。もはやなんだこれといった状態。今まで読んだ中では『銀河鉄道の夜』に限りなく近い感覚だ。そういえばこの本をくれた国語の教師は宮沢賢治が大好きだった。この教師とは性格から授業内容まで全てにおいて馬が合わなかったが、銀河鉄道の夜といい車輪の下といい小説でもここまで合わないとは思わなかった。文句無しの☆1だ。あとがきの訳者の解説を読まなかったのもこの企画を始めて初めてのことかもしれない。そもそもエリートでいたいなら周囲の期待に応えるためや自分のプライドを保つために努力し続けるべきだし、もし挫折したなら踏ん張って壁を乗り越えるか、それとも折り合いをつけてバランスよくそれなりに生きるかどちらかにしてほしい。主人公が何をしたいのか理解も共感も出来ない。『銀河鉄道の夜』もそうだったが、この手の作品の読んだ後の後味の悪さといったら…正直読み終えた後あまりの時間泥棒にいらついてタバコ吸いながら「この本、燃やしてやろうかな」と思ったレベルだ。それぐらい肌に合わなかった。

闇の奥

1902年のポーランド文学?(著者はポーランド生まれでポーランド語フランス語を操るが英語で書かれた小説)。コンラッド著。私が知っているコンゴ民主共和国についての知識は、カッパーベルトと旧ベルギー植民地ぐらいのものだ。ほぼ無知識といっていい。別の本でアフリカ分割会議について触れられていた際、この小説『闇の奥』がベルギーの植民地支配について書かれているということで興味本位に購入してみた。「原住民やベルギー政府が深く関わって、世界史を絡ました冒険でさぞかし楽しいんだろうなぁ」と軽い気持ちで手を出したのがいけなかった。この本、困ったことに私には全くといっていい程、意味が分からなかった。序盤はサクサク読めてどうなるどうなるって感じだったのだが、中盤から一気にペースダウン。もはや書いてあることが分からないので速読をやめて精読をした。何回もページを戻ったりもしたがそれでも意味が分からなかった。あらすじを追うのが私には精一杯。あらすじだけはなんとか分かったが、結局何が言いたかったのか全く分からず「だから何?」状態。『車輪の下』などは気に入らないがまだ言いたいことは多少分かる。しかし、この本は本当に何も分からなかった。クルツをえらく出し惜しみをしてやっと出てきたかと思ったらと『ある言葉』を言ってフェードアウト…。物語のキーである『その言葉』の意味も全く理解できなかった。訳者あとがきなどを見ても意味不明。原文の英語がちょくちょく掲載されていたが、もはやかつて何回も解いた京大英文解釈を思い出すレベルでそっと深読みするのをやめた。私には全く理解出来なかったので★1しか付けようがない。余程の古典文学フェチや読解力の持ち主ならいけるのかもしれないが、私のような一般人が手を出すシロモノではないことだけは確かだ。Amazonの★5をつけている方たちは一体何者なんだろうと心から思う。

アンネの日記

1944年のドイツ文学(オランダ文学?)。ユダヤ人の少女、アンネ・フランク著。ページ数は600P程。歴史好きでホロコーストやアウシュビッツにも関心があるので手に取ってみた。誰もが知っている作品にも関わらず読んだことはなかった。初めの100P程真面目に読んでいたが、如何せん話の内容がきつすぎるため挫折。やはり他人が書いた日記、しかも子供が書いた日記なのでまぁ関心が持てない。内容は自分のモテ話や友人、好きな人、この勉強をしたとかどうでもいいようなことばかり。あまりに興味が持てなかったので、ノルマンディー上陸作戦など自分が興味あるポイント以外はほぼ読み飛ばした。35のおっさんが読むにはきつすぎる。当時のホロコーストの状況を知る歴史的資料としては素晴らしい資料なのかしれないが、並みの歴史的知識が備わっている大人が読むには無理がある。一番真面目に読んだのはあとがきだった。こういった作品に評価をつけるのは無理はあるが、おすすめできるかと言えば全く出来ないので★1。これなら手塚治虫の『アドルフに告ぐ』などホロコーストを扱っている他作品の方がはるかにおすすめである。

ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)

1951年のアメリカ文学。J・D・サリンジャー著。総ページ数は350P程。私は村上春樹氏が訳した「The Catcher in the Rye」を購入した。あまりにも有名なタイトル。しかし内容は酷かった。単なる童貞の厨二病の少年が家出して騒いでるだけ。様々な女性や友人、教師が登場してどっかで一気に繋がるのかなと思ったら全くつながらず、だらだらと話が展開していくだけで特にオチも無く終わった。また訳もかなりの口語訳で癖があり、より厨二病を際立たせていた。もし自分が中学生ぐらいのときに読んだら違ったのかもしれないが、35歳のいい年した社会人が読むにはさすがに無理がある。厨二っぷりも理解は出来る。しかし今更共感することはできないし、ここまで厨二をこじらせた経験は自分にはない。正直なところ何が名作なのか全く分からない。厨二病の厨二病による厨二病のための小説だ。尾崎豊とかに共感できるんなら楽しめるのではないかと思う。結構量がある中、物語の展開を期待して読み進めていった私が馬鹿だった。全く得るものが無かった。

今後読む予定の本(メモ

カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、アンナカレーニナ、オセロー、リア王、マクベス、夏の夜の夢、白鯨、宝島、夜間飛行、夜と霧などなど他多数

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