先日、NHKの大谷の試合を見ようとしたら、放送開始直後に怪我をしたという報道がありました。
大谷がいないエンゼルスを放送するNHKに少し寂しさを覚えました。
NPB時代からちょいちょい怪我してましたが、投手としての怪我は初めてではないでしょうか。
札幌ドームの人工芝はぺらぺらと有名なので、野手としての肉離れとかはもしかしたら関係していたのかもしれません。
二刀流は体への負担が大きいため怪我が心配という話をよく聞きますが、いくら何でも早すぎます。
なぜメジャーに行くと怪我をするのでしょうか。
今までの日本人メジャーリーガーの怪我
投手
田中のまーくんとダルビッシュも大谷と同じ右肘靭帯損傷でした。
まーくんは大谷と同じ保存療法を選択
ダルビッシュはトミージョン手術
黒田は怪我ではないですが右肘関節のクリーニング手術
マエケンは入団時ドジャースのメディカルチェックでいちゃもんつけられてましたが、比較的元気です。
野手
野手は比較的大きな怪我なくやっています。
イチローは胃潰瘍
松井は左手首骨折
西岡は併殺阻止
事故的なものが多いです。
併殺阻止狙いのスライディング禁止やコリジョンルールによってそういった事故による怪我も少なくなると思います。
また MLBは天然芝がほとんどのため、日本に比べて負担も少ないでしょう。
こうして見るとやはり投手が多いです。
日本人の野手と投手では絶対数が違うというのもありますが、それを考慮しても投手の方が多いと言わざるを得ないと思います。
人工芝と天然芝の違い
芝の面からみるとMLBの方が負担が少ないです。
毎日やっていると 天然芝の方が膝への負担が軽いはずです。
松井も持病の膝の怪我があるため「膝に負担がかかる人工芝の日本ではもうプレイできない」と晩年に言っていました。
野手には影響があると思いますが投手にはあまり影響ないでしょう。
余談でまーくんが先日タッチアップの際に怪我をしていましたが…
ローテーション間隔
ダル曰く「中4日では明らかに短い。炎症が取れない」
やはりNPBの中6日に比べるとMLBの中4日は相当ハードでしょう。
おそらく多くの日本人投手はこれが一番の原因だと思います。
中6日あると130球投げようが炎症は取れるといった意見もあります。
メジャーのベンチ入りの人数、年俸などを考えると先発投手を増やせないという事情があるので致し方ありませんが、メジャー全体でも投手の怪我は問題視されているので、長い時間をかけて今後変化していく可能性は十分にありえます。
しかし大谷は中6日どころかそれ以上のときもあるVIP待遇なので、大谷関してはこれが直接の原因ではないでしょう。
変化球の多投
MLBはやはりレベルが高いし、ストレートに強いのでどうしても 変化球に頼りがちになります。
日本時代はストレートのパワーピッチングで通用しても、MLBだと難しいのが現状です。
メジャーを観ているとリリーフ陣などは平気で100マイルとか投げていますから、パワーピッチが通用しないのも納得です。
まーくんも楽天時代に比べてストレートと変化球の比率が明らかに変わりました。
いまや困ったときのスプリットですから。
そうなるとどうしても肘に負担が来ます。
全力投球の割合
これもMLBのレベルの高さに起因するものです。
日本時代のダルや今の菅野を見ると、明らかに良い意味で手を抜いています。
しかし全盛期の松井です長距離砲としてはどうだったのかといった成績のメジャー。
日本の4番だらけのメジャーだと間違いなく手を抜ける場面は少なくなり、全力投球の割合も増えると考えられます。
メジャー球が滑りやすい
日本のボールに比べるとメジャーのボールは滑りやすいと言われています。
ボールの違いだけでなく、アメリカは乾燥もしていますから気候的要因もあるでしょう。
当然 ボールが滑るということはそれだけ力が入るということなので間違いなく肘への負担は増えます。
マウンドの違いによるフォームの変化
メジャーは日本に比べてマウンドが硬いと言われています。
下半身を使って投げる日本人投手は難しいのではないでしょうか。
メジャーに行った選手は日本時代に比べてステップが短く立ち投げ気味になっています。
外国人投手と日本人投手のフォームは明らかに違います。
そうなると 上半身中心に投げることになるので、元々持って生まれた体の強さが無い日本人には難しいでしょう。
またフォームが変化して上半身を使って投げるということは、肘にもそれだけ負担が来ます。
移動による練習量の少なさ
メジャーは移動時間と時差の影響により、如何に体力を温存するかという問題があります。
松井が日本時代でホテルで素振りをしていたというのは有名な話ですが、メジャーに行くと体力的に厳しいのでやめたとイチローとの対談で言っていました。
練習量が少なくなるということは、それだけ怪我もしやすくなるでしょう。
大谷の場合は二刀流なのでさらに練習や調整の時間が限られます。
移動時間は取られますが、移動自体はメジャーだとチャーター機利用して直バスと行ったメジャーリーガーらしいスペシャルVIPなので、日本に比べると煩雑さが無くて非常に楽みたいです。
日本だと基本的には新幹線だの飛行機だの一般人と同じように移動ですから面倒くさいでしょう。
都市ごとの気温や天候の違い
時差だけでなく、気温や天候が年ごとに全く違います。
春先に極寒の中で試合とかもあります。
アメリカ国内が広いということは、それだけ気温や天候に幅があるということです。
日本国内でも沖縄、北海道で全然違うように、アメリカではそれ以上に違います。
気温だけでなく当然湿度なども違うので、調整はそれだけ難しくなります。
まとめ
プロ野球ファンとしてはメジャーに行って怪我をするというパターンは正直残念でなりません。
もっと残念なのは怪我だけでなく、能力的にも大体の選手が劣化していきます。
言葉も通じないコーチに囲まれていますし、細かいニュアンスが伝わらないので助言も難しいでしょう。
基本的には年齢的にもある程度完成されてメジャーに行くので劣化する面は仕方がないのかもしれません。
大谷翔平に関しては、伸びしろがある状態でメジャーに行きたいということでメジャーでどれだけ成長するのか楽しみにしていました。
現に見ていてまだまだ伸びしろがあるように思えます。
そこでこの怪我というのは非常に残念でなりません。
メジャーでの成功にアジャスト能力の高さやタフさが必須なのは間違いないと思います。
イチローや松井の毎シーズン微妙にバッティングフォームが変化していたことや黒田の投球術の変化を見る限り、そういった能力がある選手は長い間大きな怪我なく出来ています。
大谷もアジャスト能力が尋常ではなさそうなので、この怪我を糧に更なる進化を見せてくれることを期待したいです。
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